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彼女はいつもドーナツの穴から世界を覗き見ていた

現在 アニメ

 SHIROBAKOが終わった。俺の人生も終わりにしよう。一度はそう思ったが、まだ生きている。なぜだろう。

 多くの人が、SHIROBAKOは最初から最後まで手堅く作ってきたなという感想を抱いたはずだが、もちろんアニメーションなりの面白さも随所に光っていた。主人公の宮森あおいはしばしば幻覚を見る心の病を患っており、それが演出として最も生かされていたのが第19話「釣れますか?」。この話でみゃーもりは社長と共に武蔵野アニメーションの前身とも言うべき武蔵野動画の社屋の跡地を訪問するのだが、そこでみゃーもりは過去の武蔵野動画の情景を幻視する。丁稚のごとき扱いを受けていた若かりし頃の丸川社長、現役バリバリだった原画マン杉江、美術として駆け出しだった大倉……彼らはそれぞれの情熱を持ち寄り、ぶつけ合ってアニメを作っていた。そして彼らの作っていたのが、みゃーもりの「いちばん大好きな」アニメ、『山はりねずみアンデスチャッキー』である。

 大倉の描いた吹雪の山の美術ボードをきっかけに、シーンは武蔵野動画から一転してアンデスチャッキーの世界に変わる。吹雪のせいで帰れなくなり、洞窟の中で一夜を明かす動物たち。しかし、その動物たちはそれぞれアンデスチャッキーを作っているアニメーターたちの声を代弁している。ひとしきりアニメーションの未来への夢を語り合い、吹雪が止んだ朝、彼らを迎えに来るのがみゃーもりの声をした蛙のベソベソ。そして、みんなで村に帰ろうというところでフィルムが切れ、試写室でそれを観て泣いていたみゃーもりへと視点が戻る。映写機を操作していたのは丸川社長で、おそらく当時の思い出をみゃーもりに語って聞かせながらアニメを流していたのだろう。一つのシークエンスに二つの時間が重なっている。みゃーもりの幻覚をフックにした、見事な演出だと思った。

 

 SHIROBAKOが終わった傷も癒えぬまま、時は残酷に流れ、現在新番組ラッシュの真っ只中である。いまのところ、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』『長門有希ちゃんの消失』『食戟のソーマ』『終わりのセラフ』『ハイスクールD×D BorN』『ガンスリンガー ストラトス』『プラスティック・メモリーズ』『血界戦線』『アルスラーン戦記』『SHOW BY ROCK!!』『攻殻機動隊AAA』『てーきゅう 第4期』『高宮なすのです!』『ミカグラ学園組曲』『響け!ユーフォニアム』『トリアージX』『放課後のプレアデス』『えとたま』『パンチライン』『シドニアの騎士 -第九惑星戦役-』の1話あるいは2話までを視聴した。『ダンまち』はキャラクターデザインで一点突破してきた。ヘスティアの紐は一週間足らずで巷の噂から伝説にまで発展した。個人的にも、ヤスダスズヒト原案のわりにヤスダスズヒト感が薄くて好感がもてる。『ミカグラ学園組曲』はとても心地良いテンポでギャグがギャグとして成立していてよかった。それだけに、ここからどうやってあの冒頭に繋がるのか気になる。主人公もみゃーもりを演じた木村珠莉さんだし、ちょっと気が早い気もするが今期の推しが決まったかなという感じだ。他はまだなんとも言えない。1クールに5本も観ればいい方という人間なので、まあたぶん3話ぐらいまでにガシガシ切っていくことになると思う。

 あと最後に言わせてもらいたいんだけど、『ハイスクールD×D BorN』のEDにはがっかりした。

 

 以上です。